正しいことを正しくいう人は正しくない。という矛盾に気づいたのは、社会人になり数年経ってからです。世の中にはいろいろな考え方を持つ人がおり、俗にいう「正論」というのは見る角度により形を変えてしまいます。これは、司法にもいえることで、法律で決められていることが正しいというわけでもありません。今回は、このテーマを考えていきます。
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正しいことをいう人はどんな人か
正しいことをいうのは非常に簡単です。しかし、これを貫くには努力と覚悟が必要です。私は、正しいことをいう人を「正義感にあふれる人」と表現します。こちらからしたら少し嫌味な言い方なのですが、当の本人は満足気な表情をすることが多いです。
この「正義感あふれる人」は、時に融通が利かず、自分の正義のために他者を排除しようとします。いろいろなご意見やクレームを聞いてきた経験がありますが、「正しいこと」を「正しく」伝える人の表情は往々にして必死な表情をしています。これは、自分の考える「正しいこと」を貫く(相手に理解させる)ため、臨戦態勢となっているからです。
このことから、「正しいことをいう人」は、「正義感」を持って相手に自らの「正義」を理解させようと必死になっているのです。
「正しいこと」をいう人が苦労すること
仕事をしていくと、どうしても枠にハマらないトラブルが発生します。この時、どう「落としどころ」を探っていけるかが、その人がデキるかどうかの分かれ道です。言ってしまえば、知識や経験での業務範囲がこなせることからくる「仕事がデキる」というのは最初の段階であり、次の段階ではトラブル処理能力を問われることになります。この段階にきて、「正しいことを正しくいう人」というのは苦労することになります。
「正しいこと」をいう人は嫌われる??
多くの人が、「正しいこと」ばかりいう人とはずっと一緒にいたいと思わないでしょう。なぜなら、「正しいこと」とは人が考えた平均的なことであり、個人差によっては、その達成に努力が必要になるからです。これを常に求められるとなれば、とても疲れてしまします。また、「正しいことは、人を病にする原因」という人もいるくらいです。
ではどうしたら??
私は「正しいこと」をいうのではなく、「間違ったことをいわない」程度の伝え方を意識しています。こうすることにより、自分自身も楽になりますし、相手にも余裕が出来て効率が良くなるのです。正しいことを訴えている時の表情は、非常に不細工であるということを理解し、相手の正義も聞き入れるくらいの余裕を持って生きていければ幸せになると思います。