マンションの理事長になったら、どんな仕事をそのように考えていくべきなのか。誰もが初めて知るであろうマンション管理業界。その一般的ではない考え方や運営方法を疑問に思うことも多いはず。
そこで、このシリーズでは理事長や役員になったら知っておくべきやりべき仕事とその裏側についてご紹介します。
マンションに居住しており役員をした事のある方なら、管理会社フロントマンとやりとりした事があると思います。そして、管理会社からの過剰とも思える提案を「はいはい」と承認し続け、気づけばお金が無くなっていたというケースが多くあります。
今回は、なぜ管理会社はこんなにも提案をしてくるのか??という事にスポットを当てていきます。
管理会社の事を知ろう
管理業界は、住宅過剰により建設業界が先細りする中、管理委託費により安定した収益が期待できる「ストックビジネス」として注目されています。
これもあり、大規模なM&Aが頻繁に起こっており、会社自体は小さくても大手グループの傘下にあり、否応なしに売り上げを上げる事に注力する体制となっているケースが多くあります。
管理会社は営利団体である
当然の事ですね。しかし、入居している身としては、「マンションの管理運営」を委託しており、その中には「将来の修繕積立金の値上げ」を抑える方法等も管理組合目線で考えてほしいというところでしょう。
しかし、現場フロントマン達は、上記のような理由でどうしても売り上げを意識しなくてはいけません。
これは会社が悪いというよりは、資本主義社会である以上当たり前の事ですね。
現場フロントマンを上手く使うべし
現場のフロントマン達が組合運営に力を入れるのは、純粋に住んでいる方々のためという気持ちと売り上げに繋げるという思いがあります。私の場合、クレームばかりで何の責任も持たず、提案すれば金額が高いとばかり文句を言う管理組合と、協力的であり提案の金額が高ければ自ら動く管理組合とでは力の入りようが違いました(もちろん契約事項だけは必ず実施します)
いざという時、会社へ訴え管理組合にとってできるだけ有利(安価)に提案するための労力のかけ方が違うという事です。よく考えれば当たり前です。売り上げ(予算達成)を犠牲にし、すべての人に平等で相手の事だけを考えるサラリーマンをあなたはどう思いますか??
管理会社の売り上げ構成はどうなっている??
これまでの話でだいたい分かると思いますが、管理委託費で入ってくる見込み売り上げをベースとし、工事売り上げ、物品販売での売り上げ、大規模修繕工事の際はコンサルや工事をグループ会社へ発注等、様々な事を売り上げに繋げていこうとしており、会社の予算としても計上しています。よって、売り上げ未達とならないよう、時に過剰ともいえる提案をせざるを得ないのです。
今回伝えたかった事は、管理会社へ文句を言っている暇があれば役員自ら動き、費用抑制のために現場フロントマンと協力し取り組んでください、という事です。破損個所の確認や業者手配、その後の段取りまで行い些細なトラブルでクレームを受けるのであれば、少しでも会社に売り上げを残し自分の成績にしたいと考えますよね。普通のサラリーマンなら・・・
フロントマン時代は、文句ばかりで動かない人たちは「ストレス発散」をしているようにしか見えなかったですね(笑)
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