過去の職場で自律神経失調症を発症したのですが、発症後の回復の過程はネットに情報がたくさんありますが、自律神経失調症になるまでの過程や退職や休職のタイミングについて書かれた記事はほとんどありませんでした。
そこで、今回は自分を守るための対応についてスポットをあてます。
- 「 鬱は甘え」から一転、「鬱になるまで無理したらゆっくり休め」という危険な風潮
- 自律神経失調症の発症過程
- 会社からの助け
- 家族からの助け(心療内科受診前)
- 受診結果
- 家族からの助け(心療内科受診後)
- 退職・休職の判断について
「 鬱は甘え」から一転、「鬱になるまで無理したらゆっくり休め」という危険な風潮
鬱病が認知され今では「鬱は甘え」という考えは古いものになっています。
しかし、一方で長時間労働やパワハラ、ブラック企業が問題になり、鬱病になるまで我慢する人も相変わらず多く、鬱病になるまで我慢したら休業や退職しなければならないし、それは企業の責任であり当然のことだという風潮があります。
私は、鬱病等の人生を大きく変える病気については、初期段階で回避するのが当たり前であるべきだと考えています。企業やパワハラ上司の責任ではなく、自己責任として対応すべきで、鬱病前の退職でその職場がどんなに困ろうが、自分の人生には変えられないと考えているのです。
自律神経失調症の発症過程
私は、周りからは「鬱病」にはなりにくい性格と良く言われていました。私自身もそう思っていたのですが、それは突然にやってきました。
私のミスを原因として顧客とトラブルになり、相手に「自分は無能である」と何度も言わされるようなことがありました。私自身のミスであるとはいえ、正直にいえば「良くあること」であったため、最初はあまり気にしていなかったのですが、今までストレスを抱えた時に感じていた「胸を突き上げるような感覚」が1カ月以上も続き、これは「いつもと違う」と感じるとともに夜も3~4時間しか寝付けないということもしばしば出てきていました。子どもと遊んでいても、笑ったり楽しんだりできますが、心のどこかで仕事のことが気になり、発症前のように心の底から楽しむことはできませんでした。趣味の楽器も手に取ることなく時間が過ぎていましたが、周囲からみればいつもと何ら変わりがないように見えていたと思います。
また、仕事面では、その顧客から入電があると急に緊張緊張状態となり、ミスがミスを呼ぶという負のスパイラルに陥っていくのが自分でも良く分かりました。
会社からの助け
当時の仕事は特殊な勤務体系となっており、東京本社からの派遣であり、実際は地方での一人勤務という体系でした。本社や上司は与えられた環境の中で精いっぱいフォローしてくれていましたが、やはり、毎朝顔を合わせ愚痴をこぼせる相手がいないというのは、こと精神的なフォローをするのには至りませんでした。
家族からの助け(心療内科受診前)
「胸を突き上げるような感覚」が1カ月以上続いたとき、このまま無理をして突然「鬱病」を発症したら自分はもちろん家族の人生に多大な影響が出てしまうと思い、今後の予想される過程と休職や退職のタイミングの見極め方を相談するため、心療内科受診を妻に相談しました。妻は私の体と家族の今後を心配しており、当然のことだと感じました。
受診結果
結果としては「自律神経失調症」の症状が出ており、以下のとおり助言がありました。
①診断書はいつでも書ける
②今の症状からして投薬による対応もある
③次の段階は、「仕事に行けなくなる日が出てくる」という症状が予想される。
※突然、全く出勤できないのではなく、初めのうちは出勤できる日とできない日がある。こうなったら完全に休職するべきであり、「鬱病」が発症している可能性がある。
当時、①・②は様子を見る事としましたが、③については衝撃を受けました。
今の段階で③の手前だとは思っていなかったからです。家族のことを考えれば③になる前に何とかしなければならない・・・また、症状が進行するにつれ判断力もなくなっていき逃げ場をなくしてしまうだろう・・・そう強く思ったことを覚えています。
家族からの助け(心療内科受診後)
心療内科の受診結果を妻に伝えると、専業だった妻は仕事を探すと言ってくれました。また、自分なりに考え、問題となっている顧客とのトラブルの顛末がハッキするまでは頑張ってみようと決めました。それまでの間に妻が就職できれば、多少給料が下がってもストレスのない仕事を探すことができるし、その間の貯金や必要があれば資格取得などの時間が取れると考えたからです。
もしも、鬱病や自律神経失調症の症状を自覚している場合はパートナーへ相談し、パートナーが発症していたら「給料は何とかするから、ストレスのない職場へ転職しろ!」と確固たる信念を持ってハッキリ伝えてあげてください。実際にどうなるかは別にして、「苦しみの終わり」を意識することができ、初期段階であれば症状が軽減する可能性がかなりあると思います。次のことを具体的に考えることができる初期段階であるほど効果があり、相手に寄り添うだけではなく、力を合わせて困難を乗り切るということこそが恋愛と結婚の違いであるとも思います。
退職・休職の判断について
私は、心療内科受診については家族以外には話していません。
それは、症状が重篤化する前に退職の判断ができ、しっかり引継ぎまでできたからです。これが、引継ぎもできないような症状であったら、発病したことを理由にするほかありませんので、個人的には正しい判断だったと思います。当時は役職を拝命しており、部下もいる(といっても同じように別地方担当者でしたが・・・)状態での判断でしたので会社には迷惑をかけましたし、給料も下がったので家族にも迷惑をかけましたが、鬱病になっていれば今でも社会復帰できていないかもしれません。
鬱病になっても誰も幸せになりませんし、世間の鬱病認知から今までの流れを見ていると、今後は自己防衛で事前に防ぐという流れとなっていくのは自然なことだと思います。
現時点で悩んでいる方がいれば、時代を先取りしたつもりで自分と家族を優先した選択をすることを祈っています。家族より「自分」が先にくることが重要です。あなたが幸せであることが、家族の幸せです。