ローコスト住宅とは、設備や材料を安く抑えることにより相場より安い価格で建てることのできる一戸建て住宅という定義でしょう。新築建物価格にして1,500万円以下、安いものになると1,000万円以下です。
前回に続き、建売ローコスト住宅を購入した著者が購入後に後悔したこと、満足していること、ローコスト住宅を選んだ理由をお伝えします。
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現在の状況
物件情報
①建築場所は地方都市。2階建て、庭付き。
②敷地面積40坪、建築面積30(地元の工務店が建築)
③間取り 4LDK(1階リビング+1部屋、2階3部屋)
④こだわった点
南向き、トイレ1階・2階に設置あり、駐車場2台(頑張れば3台可)、リビングに階段あり(将来子ども部屋へ入る際にリビングを通るように)、バルコニーあり。
支払情報
①合計 1,800万円(土地代700万円、建物1,100万円)
③借入額 2,000万円(外構工事費含)
④月額支払額 60,000円(35年、ボーナスなし、元利均等返済)
⑤手取り収入 300,000円
現在の状況
購入後5年経過しますが、特に目立った不具合はありません。注文住宅のような開放感あふれる吹き抜けダイニング、木材にこだわった美しい住宅というわけではありませんが、生活をするうえで特に問題を感じることはありません。毎月の支払についても、生活に重くのしかかってくることもなく、結構自由に生活できているのが現状です。
正直に話せば、当時の収入での限度額にはまだまだ余裕を残す形で住宅ローンを組みました。
ローコスト住宅を選んだ理由
経済的な理由
購入時に中古住宅、建売住宅、注文住宅と検討したのですが、やはり注文住宅の方が素晴らしい家になるであろうことは良く理解できました。しかし、実際の「質」については値段の違い程はないように感じました。また、中古住宅は安いのですが、将来のメンテナンス費用や現状を考えた場合、やはり金額とのバランスに落としどころを見つけることができませんでした。
これらの事情を踏まえ、さらに注文住宅が素晴らしいことを理解したうえ、今後の生活において毎月の支払いに数万円の違いを出してまで注文住宅に住みたいかといえば、我々の場合は「NO」でした。
生活に金銭的な余裕を残し、その分家族の思い出創りや子どもの教育費、それぞれの趣味にお金をかけることを優先し、積極的に繰り上げ返済をして借金地獄から早く解放されたいと考えました。
端的に言えば、「家」は消耗品であり100%を求めなくても構わないとの結論に至ったのです。半分自分に言い聞かせている部分もありますが、何でも完璧を求めると、完璧でないことが少しでも分かると窮屈に感じてしまいます。
災害時の被害状況
仕事の関係で東日本大震災や熊本地震を見ていますが、地震被害によりローコスト住宅だから倒壊したという事例は聞いたことがありません。
災害時に差が出るのは、築年数と屋根の形状、そして土地柄です。どちらの被災地でも築年数が古く、昔の一般住宅で施工されていた瓦屋根の住宅は軒並み屋根にブルーシートがかかっていました。
家を購入する際に本当に考えないといけないこと
被災地の状況を考えると家の良し悪しよりも、どこに住宅を建てるのかという事の方が重要であることは明白です。特に地盤が弱い土地や水がたまる土地、洪水や津波、土砂災害が発生する可能性のある土地は絶対に避ける。そのうえで家自体の強度や快適性を求める。私はローコスト住宅ではありますが、土地柄についてはハザードマップや地域の方に聞き込みをしたうえで問題ないと判断して購入を決めました。もちろんお金に余裕があれば、良い土地に自分好みの注文住宅を建てましたが・・・
熊本地震の場合
熊本地震では、埋め立て地を整地した区画に並んでいた新興住宅街は、全地区で住めなくなるほどの液状化現象が発生しました。また、盛土が崩れ家に住めなく被害も発生し、こちらの場合は、自治体が盛土を再整地したうえで、同じ場所に新築するのであれば現時点でのローンは免除、ただし新築分の資金は個人負担と取り決めがなされたとのことです。
つまり、年齢が高くなっていれば新たにローンを組むのが現実的でなくなる。それは、現時点のローンをかかえたまま、賃貸へ住み替えることを意味しています。
さいごに
2回に分けてシリーズ化しましたが、参考になったでしょうか?
家族の幸せとは何かということを考えて、しっかりと検討してくださいね。
そもそもマイホームを持つということ自体リスクとして提唱する論調もありますが、それは、現状が破綻したときに支払うことができないようなローンを組むことへのリスクでもあります。今後は住宅過剰供給による住宅価格の下落も考えられますので、購入のタイミングをよく考え、家庭の状況と相談しながら、満足のゆく選択をしてください。
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