マンションの理事長になったら、どんな仕事をそのように考えていくべきなのか。誰もが初めて知るであろうマンション管理業界。その一般的ではない考え方や運営方法を疑問に思うことも多いはず。
そこで、このシリーズでは理事長や役員になったら知っておくべきやりべき仕事とその裏側についてご紹介します。
今回は、選定した管理会社へ見積を依頼する際の注意点です。
特に大手管理会社は異常な値下げはできませんので、公の場に余りに安い見積が出てしまうと質に関係なく管理会社変更の流れを止められなくなりますので、慎重に検討しましょう。
- 安いのには必ず理由がある!
- 本格的な見積もり依頼の前に概算見積もりをとる!
- 各業務の明細をよく確認する
- 機械系の点検作業は下請け業者まで確認
- 管理組合と定期点検業者との直接契約について
- 管理委託費だけに騙されるな!!
- 必ず契約内容の意味を理解する
- 第三者の介入は極力さける!
安いのには必ず理由がある!
デベロッパー系管理会社と契約中に、独立系管理会社へ見積もりを依頼すると100%に近い確率で安くなります。
しかし、当然理由があります。前回紹介した担当数や管理会社変更後についてくる工事受注問題等です。
管理会社変更時は熱心に相見積もりやヒアリングをしたのに、変更後の工事は管理会社のグループ会社へ全て依頼、相見積もりをとっても管理会社が全て用意し、いつも決まった業者が受注しているという事になりかねませんからね。
管理会社変更時は熱心に相見積もりやヒアリングをしたのに、変更後の工事は管理会社のグループ会社へ全て依頼、相見積もりをとっても管理会社が全て用意し、いつも決まった業者が受注しているという事になりかねませんからね。
本格的な見積もり依頼の前に概算見積もりをとる!
相見積もりを依頼するには、現在契約中の「重要事項説明書」か「管理委託契約書」が必要になるでしょう。そして、「はい、相見積もりお願いね」と管理会社へ頼む前に概算見積もりを取ることをおすすめします。
正式な見積もりをとる場合、依頼された管理会社はエレベーターや機械式駐車場の保守メンテナンス作業等、限られた業者にしか依頼できない項目も下請け見積もりを取得する必要があるため、既に現管理会社の下で保守メンテナンスを行っている業者へ見積依頼する事になってしまい、多くの場合、この時点で現在契約中の管理会社に情報が流れ、味方になってくれる入居者への根回し等が始まる事があります。
正式な見積もりをとる場合、依頼された管理会社はエレベーターや機械式駐車場の保守メンテナンス作業等、限られた業者にしか依頼できない項目も下請け見積もりを取得する必要があるため、既に現管理会社の下で保守メンテナンスを行っている業者へ見積依頼する事になってしまい、多くの場合、この時点で現在契約中の管理会社に情報が流れ、味方になってくれる入居者への根回し等が始まる事があります。
場合によっては、今より高額な見積もりを出す保守メンテナンス業者もいます。
だって、見積もり依頼をする管理会社の方が安くなるのでしょう??という事は、その下請け業者はもっと叩かれるわけで、今の管理会社に頑張ってもらった方が良いに決まってますから・・・
なので、見積もり依頼した管理会社へは、限られた業者にしか依頼できない項目以外の部分で見積もりを依頼すれば問題解決となります。現在より高くなる事はあまりありませんからね。もちろん、金額は見せないように依頼してください。
だって、見積もり依頼をする管理会社の方が安くなるのでしょう??という事は、その下請け業者はもっと叩かれるわけで、今の管理会社に頑張ってもらった方が良いに決まってますから・・・
なので、見積もり依頼した管理会社へは、限られた業者にしか依頼できない項目以外の部分で見積もりを依頼すれば問題解決となります。現在より高くなる事はあまりありませんからね。もちろん、金額は見せないように依頼してください。
各業務の明細をよく確認する
管理委託費の中には清掃業務や消防設備点検業務等がありますが、これらは各管理会社のお抱えの下請け業者からの見積もりに、それぞれ利益を乗せたものになります。
特に注目するのは「基幹事務」と呼ばれる事務管理業務です。多くの場合、戸数に各管理会社独自の単価を掛け合わせて算出しています。管理会社が費用を抑えるため、下請け業者をたたく事もありますが大きく変わりませんので、最初に金額を抑える工夫をする項目は、この管理事務に要する費用です。管理事務は再委託ができないため、管理会社の社内努力である程度調整ができ、大きな会社ほど経費が上乗せされ高くなってきます。
特に注目するのは「基幹事務」と呼ばれる事務管理業務です。多くの場合、戸数に各管理会社独自の単価を掛け合わせて算出しています。管理会社が費用を抑えるため、下請け業者をたたく事もありますが大きく変わりませんので、最初に金額を抑える工夫をする項目は、この管理事務に要する費用です。管理事務は再委託ができないため、管理会社の社内努力である程度調整ができ、大きな会社ほど経費が上乗せされ高くなってきます。
機械系の点検作業は下請け業者まで確認
管理会社は費用を抑えるため下請け業者をたたくと書きましたが、特に機械系には注意が必要です。見積もり書には金額しか記載されていない事がほとんどですが、時にエレベーターや機械式駐車場の定期点検を正規メーカーではなく、地場の安い会社へ変更する事もあります。こうなってくると災害時等の対応に差が出てきたり、部品交換時に正規メーカーより高額な改修費用が必要になってきたり、正規メーカーへ戻す場合に多額の費用を要する事がしばしばあります。また、事故発生時に責任の所在が明らかにならない事が多いため、正規メーカーではない場合、そのリスクもしっかりと把握してください。
管理組合と定期点検業者との直接契約について
例えば、清掃業者と管理組合が直接契約し、作業監視やトラブル発生時の交渉まで行えば費用は安くなる可能性があります。しかし、これは業者側も嫌がる事が多く、管理組合が負うリスクと比較した場合、割に合わない事が多いので注意してください。
特に消防設備は、火災発生時の対応や故障時、夜間に対応を迫られる事もあるので、よっぽど信頼できる業者がいない限りは早々に無理をする必要はありません。
管理委託費だけに騙されるな!!
これも重要なのですが、反対者がいる中で総会承認をとるには、管理委託費の減額が一番効果的であり、当然、管理会社側も承知しており、管理委託費の減額、それに伴う修繕積立金や管理費の値下げを前面にアピールしていきます。
しかし、所詮は営利企業・・・あなたなら適正な利益を確保するため、どうしますか??
管理委託費は安いが、実際に変更してみたら今まで必要でなかった経費が計上されている・・・という事になるのです。
管理委託費は安いが、実際に変更してみたら今まで必要でなかった経費が計上されている・・・という事になるのです。
例えば、掲示文書等の印刷費や電球交換費等です。
特にデベロッパー系管理会社では、契約上記載がなくともサービスの一環として当たり前に実施している項目が多くあります。
今まで当たり前と思っていた事に費用が発生するかもしれない。これは事前に聞き取りが必要でしょう。
管理委託費は安くなったが、結局全体の支出は変わらないという事は「よくある事」ですので、すでに管理会社を変更した方は、支出全体に目をやり再確認してみて下さい。
必ず契約内容の意味を理解する
一般的な「管理委託契約書」は表現があいまいな項目が多いです。
例えば、「駐車場の管理」とは??
例えば、「駐車場の管理」とは??
・駐車場利用者の名簿管理
・日常清掃や故障時の報告
・間違い駐車があった場合の対応・・・
思いつく限りこの通りだと思いますが、間違い駐車が夜間に発生したら・・・
警察を呼んでください。といわれる
間違った方へ連絡をとる・・・・
「駐車場の管理」という表現であれば、どちらも正解なんです。
上記はあくまで一例ですが、他にも問題発生時の「夜間対応」・「休日対応」等。
これらについては、管理会社の対応を事前確認しておいた方がよいでしょう。
第三者の介入は極力さける!
多くの場合、「住民の味方になってくれるコンサルティング業務」を第三者に依頼・相談するでしょう。しかし、注意が必要です。この相談に乗ってくれている団体の収入源を確認してください。独立系管理会社や大規模修繕を実施している会社等が支援していませんか??
あとは分かる事でしょうが、相談をしてアドバイスを頂く分は活用の余地がありますが、全てを丸投げしてまで管理会社変更をしたいと思うのであれば、もう少し管理組合内に協力者を得てから進めた方がよいでしょう。
あとは分かる事でしょうが、相談をしてアドバイスを頂く分は活用の余地がありますが、全てを丸投げしてまで管理会社変更をしたいと思うのであれば、もう少し管理組合内に協力者を得てから進めた方がよいでしょう。
決してコンサルティングをしてくれる団体を否定している訳ではありません。
そこに全てを託さざるを得ないような体制が問題であり、そうであれば時期尚早という事です。
ここまで読んで頂いた方は、ハードルの高さを感じているかと思います。
しかし、無駄な費用を抑え、かつ、質を下げないという事を多くの方に理解いただき賛成を取るのですから、やはり決して簡単な事ではありません。また、管理会社変更後に質が伴わず暮らしにくくなっては元も子もなく、再び管理会社を変更するために苦労をするのは大変でしょうから、しっかりとした前準備が必要。という事です。
しかし、無駄な費用を抑え、かつ、質を下げないという事を多くの方に理解いただき賛成を取るのですから、やはり決して簡単な事ではありません。また、管理会社変更後に質が伴わず暮らしにくくなっては元も子もなく、再び管理会社を変更するために苦労をするのは大変でしょうから、しっかりとした前準備が必要。という事です。
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